しんどい三大臣お焚き上げ

 

居酒屋バイトの深澤辰哉さん

 

他大の2個上の先輩、深澤さん。今日はわたしともうひとりの女の子がシフトの日だったけど女の子に急用ができたみたいで店長曰く「基本暇」な深澤さんが召喚された。深澤さんがいつもより少し遅れてきたときわたしは卓の掃除していたんだけど着替える前の私服深澤さんに「トイレ掃除まだだよね?俺やるからやんなくていいよ〜」って言われたい。

 

開店前の準備がひと段落ついたら深澤さんがおもむろに「こないだそっちの大学の子らと合コンしたんだけどさ〜、」って話振ってくる。知ってる子かなって思って名前聞いてみたら案の定で、でもその子たちは結構パリピ系の子でわたしとは面識ないから話広げらんないなって思っていたら「まあ俺が合コンした話とかマジどうでもいいよね わら」ってこの話はそれで終了。

 

深澤さんはモスト気が利きまくるバイトだからビール樽が残り少ないのを見計らって事前にスタンバッていてくれる。深澤さんとシフトかぶった日にビール樽運んだことないなそういえば。ビール切れたらどこからともなく深澤さんが現れて「俺運ぶから、じゃあ....4卓の注文お願いねっ」って言われるから。そのあと「樽ありがとうございました」ってお礼言ったら「え?なにが?っていうか俺の方こそ4卓ありがと!4卓のおねえさんに絡まれててさあ..」ってお礼返しされるよ。

 

4卓のおねえさんたちがお会計済ませて無事帰ったらその日はもうだいぶ暇で「そんなに絡まれたんですか?4卓」って聞いてみた。深澤さんは「そうなのよ〜めっちゃラインライン言っててさ。俺こう見えてガード固いからさあ絶対教えるもんかって思ったよね わら」だそうです。わたしのバイト初日に当たり前のようにラインQRコード読み込んだのどこの誰だっけ?って思っていたら「まあこんなののどこがいいんだよって話だよね、あのおねえさんたち見る目なすぎ〜 わら」ってビジネス自虐してくるよ!ほんとは自分結構イケメンだって思ってるでしょ!!知ってる!!!好き!

 

 

 

 

サークルの先輩の藤井流星さん

 

スポーツ全くできないけど友達に半ば強制的に入れられたサークル。実際の活動はほとんど言ってないけど飲み会だけはなぜかよく行く。まあ一つ上の学年で圧倒的人気を誇る藤井先輩を拝みに行くという目的が99%

 

わたしがサークル活動に行かないのはもう周知の事実なので先輩たちも同期たちもそれに関してはなにも言わず歓迎ムードで迎えられる飲み会。今日はたまたまラッキーでわたしの隣に藤井先輩。藤井先輩は人気だから周りにはいつの間にか男女問わず人がたくさん。そのうちひとりの先輩が「あの子はエロい」「あいつはエロくない」とか下世話な話をし始めた。男子はもちろん、女子も酔っ払っているのでその話題はどんどんエスカレート。

 

しまいには「〇〇ちゃん、超エロい!」「え〜そんなことないですよぉ」みたいな応酬の嵐。トイレに行くタイミングを見計らっていると耳を疑うような発言が。「わたしちゃんはエロくないよね!貧乳だから?www」最悪、もう無理帰りたい。あまりの最悪さに求められている反応もできない。ここではたぶん「ねえ先輩ひどすぎ!(笑)貧乳じゃないですよ〜」とかが正解なんだろうけど無理。ヤバい早く帰りたい。

 

とか思っていたらいままで黙っていた藤井先輩がわたしにしか聞こえない声量で「トイレ行こ」って言いながら腕を掴んできた。えっ、これは何、とか思っていたらもうそこはトイレに続く廊下で、藤井先輩はいつもの笑顔じゃなくて、なんか苦いもの食べたみたいな渋い表情で「俺無理、ああいうのアカンねん」って一言。これは庇ってくれているのかなって思いつつも「わたしは平気なんで大丈夫ですよ」って言うと「そうじゃなくて。あんなん平気で女子に言える神経がアカンの」と真剣な表情のまま言ってくる。

 

あまりの剣幕に返答できずにいると藤井先輩は「俺妹ふたりおるやんか、」って優しく語りだす。妹が普段から心無い男にああいうこと言われていると思うとほんとうに嫌なこと、そんなこといったら全ての女の子にああいうこと言える男がほんとうに嫌なこと、女の子はあんなのに明るく返答しなくてもいいこと、あんなのになんか絶対慣れちゃダメなこと、などを一生懸命話してくれる。

 

「やからさ、俺無理やねん」そこまで話しきった藤井先輩はもういつも通りのぽやぽや笑顔でわたしも思わず「助けてくれてありがとうございました」ってちょっと笑いながらお礼言っちゃう。そしたら「ええねん、俺が我慢できんかっただけやからさ」って優しく返してくれるよ。「もう帰ろか、送ってく」って続けて言ってくれるからここはそのまま有難く好意を受け取りましょう。

 

「荷物取ってくるわ、薄ピンクのあのちっちゃいバックだけ?」って、さりげなく荷物把握してくれている(滝涙)やざじい......!藤井先輩好きです。

 

ちなみにこのあとはほんとに紳士的に送ってくれてぽやぽや「おやすみ」ボイスもプレゼントしてくれます。なんだけど!そうなんだけど!後日心無い発言男に「あの日アイツと抜けたん?(ヤッたんか、と言外に聞いている)」と聞かれた流星くんは「そうだよ、俺はわたしちゃんのこと可愛いと思うけどね」ってプチギレマウントとっています。しんど。ほんとはただ送ってくれただけなのにね。

 

 

 

 

彼女もちの濱田崇裕さん

 

上2人が現人神のように優しい男の子だとしたらこの崇裕はマジでクズ。クズたかぴろマァジで愛してるよ、なんて本人の前で言ったら煙草潰しながら「おっもいねん」ってキレられるよ。

 

崇裕の彼女は高校時代から付き合っている清楚系の女の子(ありがち)で崇裕はその子の尻に敷かれている。わたしが崇裕と再会したのは成人式の2次会(ありがち)でその日にお持ち帰りベッドインだよ。崇裕とは中学は一緒だったけど高校は違くて、いま崇裕は地元の工場で働いているらしい。わたしは進学したけど結局地元だからこれはワンチャン付き合えるな?とか思って勇んでベッドインするんだけど朝起きたらさ、崇裕誰かと電話しているわけ(ありがち)。

 

寝たふりして聞き耳立ててたら「ああうんおはよ」「昨日さ地元の奴ら飲みすぎてさ(笑)マジで(笑)いやごめんて」「いま?家だよ(ほんとはホテルだよ)、今日休みやから二日酔いなおすわ(笑)」「おん、仕事がんばってな」「夕方生きてたら迎え行くわ」

 

ってこれもう完璧彼女のやつのやつじゃん????とか思ってもう聞いちゃえって思って「彼女?」って聞くよね。それたら崇裕「おん」ってそれだけ。マジデリカシーとかカケラもねえから。あっそうとか思っていたら「お前もどうせおるやろ彼氏」とか聞いてくるから!!、!いねえよ!しばらくいねえよ!って感じだけど強がりで「いまはいない」って答える。したら崇裕「面倒なの引いたな」みたいな苦い顔するから。

 

それからはちょくちょく居酒屋飲み→ホテルみたいなのが続く。「彼女にバレないの?」とか聞いたらめんどくせえみたいな顔しながら「アイツ外飲みとかしぃひんから」らしいです。そうだよね清楚系だもんね。崇裕は飲みながら煙草2箱くらい開けるんだけど「匂いつく!くっさ〜い」とか言ってみると(ほんとは超嬉しい)、「お前の香水よりマシじゃ、それ俺についたらどうすんねん」とか返されるから次から香水していかない。

 

みたいな絶対本命になれないポジの女になりたい。崇裕はたぶん24歳くらいで清楚系の彼女との結婚キメるからある日突然「俺結婚するやんか、もうお前としぃひんから」っていう死刑宣告です。「不倫でもいいけど」って強がりで言ったらマジこいつめんどくさみたいな顔で「俺がアカンから」とか言ってくるのでこの関係は終了〜〜〜〜ちょっと死んでくる。

 

 

 

ちょっといつにもましてオチが全くなくてごめんなさいほんとに。まあこれはお焚き上げなんでひっそりと読んでくれたらうれしいです(?)